ヒスタグロビン注射について
- ヒスタグロビンとは?
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くしゃみや鼻水、鼻づまり、目のかゆみなどのアレルギー・花粉症の症状は、アレルギー物質(スギ花粉・ダニ・ハウスダストなど)が体の一部に触れることが引き金となり、体内からヒスタミンという物質を放出し、引き起こされます。
ヒスタグロビンは、このヒスタミンがつくられてもそれに対抗する抵抗力をあらかじめ獲得しておくことで、実際にアレルギーが起きてもそれを弱め、体質から改善するという、非特異的減感作療法と呼ばれる治療法です。
ヒスタグロビンは、アレルギーを起こすメカニズムのうち、
好酸球の炎症局所への浸潤を抑える
ヒスタミンの放出を抑える
ヒスタミンに対する防御力をつける
という3つの作用で、アレルギー症状を和らげる効果を持っています。
アレルギーを抑える治療法としては、他に
- 抗ヒスタミン薬
- ステロイド
- 舌下免疫療法
- 生物学的製剤
などがあります。
一般に、内服薬でアレルギーを抑えることが難しい場合はステロイドを使用しますが、ステロイドは様々な副作用があります。ヒスタグロビンは、副作用も少なく、一般に内服薬のみでは症状の改善が乏しい方の約60-80%に改善が認められます(ご注意:効果には個人差があり、すべての人に効果があるというわけではありません)
当院ではアレルギー諸症状の鎮静化に効果的なノイロトロピン注射も併せて行うことも可能です。ヒスタグロビン注射とノイロトロピン注射との併用は、アレルギー症状に対して相乗効果が期待できます。
対象となる方 - 花粉症の症状がきつい中等度以上の人(保険適応となります)
花粉症でヒスタグロビン注射をお考えの方はシーズンが始まる1ヶ月ほど前に始めることをおすすめします。
実施できない方 - 症状を悪化させる恐れがあるため、喘息の激しい発作がある方
- 体力の低下が激しく、衰弱している方
- 月経前、月経中の方
- 妊娠中の方
- 過去にヒスタグロビン注射でショックをおこしたことがある方
副作用 眠気、めまい、頭痛、嘔吐、注射部位の発赤や痛み など
治療方法 - 成人
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週1~2回の注射を、合計6回行います(これを1クールとします)。
十分な効果のあらわれない場合には、更に1クールを追加します。この場合、1回投与量を最高3バイアルまで増量することができますが、当院では安全を考慮し、1回投与量は2バイアルまでとさせていただいております。
効果が認められたら、その後は、維持療法として注射を行います。ノイロトロピン注射との併用も有効です。
費用 - 保険適応があります
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3割負担の方で1回1,200円程度、再診は1回600~700円程度となります。
ノイロトロピン注射と併用の場合は初診で1回1,300円程度、再診は1回800円程度なります。
予約 必要です(ご希望の方が多くなってきたら予約不要にする可能性もあります)。
ご注意 ヒスタグロビンは1967年に発売され、 国内の献血血液から製造される血液製剤です。今まで1例も感染例の報告はありませんが、事前に同意書の取得が必要となります。